
土と水と木と炎だけで作る1000年先まで残る器。
縄文時代に作られた火焔型土器は、同じ材料、同じ製法で実際に制作してみると、大変高い技術を持った者の手で作られたという事がわかります。粘土を採取し、道具を使い、形にして焼くという一連の作業は容易なことではなかったでしょう。そうして作られた土器は、現代まで当時の姿を留めており、その時代を生きた作り手の強い想いと圧倒的な力強さが、私たちを深く感動させます。古墳時代の須恵器や平安時代の常滑経塚壷などもまた、このようにして1000年以上も人から人へと感動と共に伝えられ、歴史に残ってきました。
それでは、現代に生きる私たちが1000年先まで作品を残すためには、一体どんなモノを作ればいいのか。高度な制作技術は言うまでもなく、その時代によくぞここまで出来たものだという作り手の情熱と、器そのものの美しさ、そして登り窯による高温長期間焼成にも耐え抜く逞しさが必要ではないでしょうか。これは世界最長の登り窯築窯から始まった、はるか未来へ器を残す壮大なプロジェクト。その答えがわかるのは1000年後です。

器と共に、技術も未来へつないでいこう。
このプロジェクトで使われる世界最長の登り窯は、古くから使われてきた薪窯のひとつですが、燃料となる大量の薪の準備や、昼夜を問わず何日も焚き続ける労力、そして温度を見極める熟練の技術が必要なことから、焼成に使用する作家や窯元が年を追うごとに少なくなっています。登り窯の技術は、現在登り窯を所有する方々でつないでいくしかなく、このままでは日本の登り窯から火が消える時が訪れるかもしれません。
私たちはこのプロジェクトを通して、薪窯を持たない作家やこれから窯業を目指す若い方々と窯をシェアし、一緒に焼成体験を重ねることで、失われつつある技術を次につなぐ担い手を育み、同じ窯を共に囲むコミュニティーを構築していきたいと思っています。